鳴る源

馴染みの店 いつもの席 見慣れてる街並み
なのに違う色をしてる 君が作り出す空気で

窓の向こうは小雨 年始の広い交差点
年末のテレビ欄の様な会話で賑わう

リズムを合わせよう そんな気持ちはさほどないけど
気ままに寄せる音や言葉が 心地よく鳴っていた

雨粒の音 急ぐ足音 かき消すように脈打つ鼓動
屈託無く笑う姿が 心が鳴る源

本当に大切なものは 特別なきらびやかさじゃなく
ごく自然にそばにあるような 柔らかさだったよ

初めてなのに再会のような 愛しい記憶が具現化したような
まだお互いを知らなかった日々 疑うほどに確かな衝動

雨は上がって 人気も去って 静かな夜に高鳴る鼓動
「じゃあまたね」って 微笑む姿が心が鳴る源

そして
恋は終わって 一人になって 静かな部屋 頬伝う涙
屈託なく笑う姿が 心にある 今でも